闘病記 〜あの笑顔を取り戻すために〜


人生は本当にわからないものです。突然だったのですが、筆者は「顔面神経麻痺(ベル麻痺)」という病気になり、入院生活をすることになってしまいました。今はすでに退院し、元気でやっておりますが、せっかくなのでそのときのメモリーを綴りたいと思います。



第一章 〜突然の出来事〜

20090409(木)
「なんか今日は肩がこるなぁ。」
筆者は肩こりなんて滅多にしない体質なんだけれど、今日は珍しく肩が痛い。右目もなんだか乾燥して痛いし。ということで、仕事を早めに終え、帰宅した。


20090410(金)
朝、顔を洗うと、右目に水が入って痛い。なにかがおかしい?

鏡を見てみる。あれ、両目を閉じているのに、右目がぱっちり開いている。見事なウィンクだ。

自慢の笑顔を確認するが、右の顔だけ恐ろしいほど無表情である。

鼻の穴を広げてみると、左だけひくひくと広がり、右はそのまま。いつの間にこんな高等な芸を習得していたのか。

朝食も口が思うように動かず、極めて食べづらい。しかも、右の舌の味覚がおかしい。食後、お茶を口に含んでくちゅくちゅすると、「ぴゅっ」とこぼれる。なんだこれは。おー、これは大変だ!

何が起こっているかしばらく理解できなかったが、落ち着いて状況を把握すると、どうも顔の右半分が麻痺して動かせなくなっている。でも触った感覚は正常で、痺れてはいない。いろいろな不安が込み上げてくる中、生真面目な筆者はとりあえず仕事に行く。

空いた時間、グーグルで「顔面 麻痺 神経 右・・・」などのキーワードで調べてみると、この症状はどうも「顔面神経麻痺」の「ベル麻痺」という病気に一致する。手足の痺れはないので、脳梗塞とかではない、と思うのだが・・・。顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科で受診するらしいということまで調べ、すぐ近所の大学病院に行くことにした。


先生:「おそらく、顔面神経麻痺でしょう。入院されますか?」
筆者:「え、いきなりですか?」


明日はレディの入園式もあるし、ここはなんとか通院で治したい。というか、酒が飲めなくなるのがつらい・・・。

ということで、通院治療を希望し、内服薬をもらった。

寝る前、「もしかしたら本当は脳梗塞じゃないか、そういえば、なんか手が痺れるような感じがしないわけでもない(←別に痺れてないけど、意識しすぎてそんな気がしている)。だとしたら、これから先一体どうなるのだろう?」とりとめもない不安が頭をよぎり、なかなか寝付けなかったので、多めに焼酎を飲んだ。


20090411(土)
午前はレディの入園式。ニコヤカに行きたいが、どうも右顔面だけ無表情で笑顔が引きつっている。

車を運転するも、右目が閉じないのですぐ乾いてしまい、見えなくなって極めて危ない。

夕食は好物の「金目鯛のアラ炊き」を作って食べるも、口が思うように動かず、しゃぶってゼラチンのブヨブヨしたところをすする楽しい行為ができない。これはやばーい。


20090412(日)
薬を飲んでいるが、麻痺はひどくなっている気がする。まず、唇が異常に左に寄って、まともに咀嚼(そしゃく)できない。食べることが趣味みたいな筆者にとって、食事が困難になることは精神的にかなりショック。これは本格的に治療しないとだめだな、と考え、入院を決意。

嫁とレディに「本日の昼食は焼き肉にする」と高らかに宣言し、昼から肉食・飲酒でシャバとの別れを惜しむ。明日から入院で禁酒ばい。

続き

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